財産分与とは、婚姻中に夫婦が築いた財産を分配することです。清算的財産分与・扶養的財産分与・慰謝料的財産分与・過去の婚姻費用の清算の4つの観点から財産分与がされます。当事者の話合いで決める場合の、基準などはありません。
調停などで財産分与が話し合われる場合は、4つの観点から考えた上で、2分の1ずつの配分が基準となっているようですが、妻が専業主婦であるときは3~4割ほどになる場合も多いようです。
協議離婚の場合、財産分与などの取決めをしなくても簡単に離婚が可能です。しかし、後のトラブルを避けるためにも、財産分与はしっかり取り決めるべきです。財産分与の請求権は、民法で認められており、有効期限は離婚後2年以内です。協議離婚の場合でも、財産分与に関して当事者で話し合いがうまくいかないときは、家庭裁判所に財産分与請求の調停を申し立てることができます。
・ 清算的財産分与
清算的財産分与は、婚姻中に夫婦が協力して築いた財産・権利を分配するもので、財産分与の中心になります。財産・権利が、どちらか片方の名義であっても、それらは夫婦の協力で得たものと考えられます。調停・審判・裁判などでは、それらを得るのに貢献した度合などで分配します。
・ 扶養的財産分与
生活力のない側の生活維持のために、生活力がある側が援助するという考えでも分配がされます。専業主婦だった妻がすぐに職につけない・子供が幼くて働くことができない上に、清算的財産分与や慰謝料も請求できない・足りないなどの理由があり、離婚後に生活困難になると考えられる場合、扶養的財産分与として財産が分配されます。請求側に十分な財産がある場合や、お互いが同じくらいの生活力しかない場合は認められません。生活力がない側の、経済的自立の目処が立つまで支払われますが、援助はおよそ3年程度と考えられます。
・ 慰謝料的財産分与
慰謝料的財産分与とは、財産分与に慰謝料を含めても良いと考えるものです。財産分与とは基本的には共有財産の分配で、慰謝料とは責任がある人が相手に支払うものですが、実際の分配に慰謝料を含めて清算するということです。精神的な損害に対して十分に支払いがされている場合は、別に慰謝料を請求することはできません。慰謝料的財産分与を含めて財産が分配されても、精神的苦痛に対して十分ではないと認められる場合には、別に慰謝料の請求ができます。
・ 過去の婚姻費用の清算
過去の婚姻費用の清算とは、婚姻期間中の婚姻費用(生活費)を財産分与に含むということです。婚姻中に、婚姻費用分担請求として処理されることが多いようです。
財産分与の対象
婚姻中の財産は、「特有財産」・「共有財産」・「実質的共有財産」に分けられ、財産分与の対象になるのは、「共有財産」「実質的共有財産」です。
「特有財産」とは、結婚前から各自が所有していたもの・結婚中に一方が相続したもの・一方が贈与されたもの・各自の装身具等社会通念上、各自の専用品と見られるものです。これらは、財産分与の対象となりません。
「共有財産」は夫婦両名儀、「実質的共有財産」は夫婦の片方の名義で、共同生活に必要なものや協力して築いてきたと考えられる全ての財産です。名義が片方であっても、財産分与の対象になります。
・ 対象となるもの
(1); 貯金・現金
(2) 土地・建物(不動産)
(3) 車など(動産)
(4) 個人営業の財産 *個人でなければ対象外
(5) 退職金
(6) 年金 *支給済のみを対象とするようです
(7) 債務 *共同生活上で生じたもののみ対象
(8) 婚姻費用
(9) 生命保険金 *受取人が片方の名義でも対象
(10) 証券・投資信託
(11) 職業上の資格 *夫婦の協力により、片方が取得した場合
・ 対象とならないもの
(1) 結婚前に所有していた財産
(2) 片方が相続・贈与をうけた財産
(3) 個人の専用品