1.離婚の条件 :法定離婚原因
2.裁判所 :家庭裁判所
3.手続き :離婚届、判決書謄本、判決確定証明書の提出
1. 離婚の条件 :法定離婚原因
協議・調停・審判でも離婚が成立しなかった場合は、裁判の申し立てができます。また、相手が行方不明の場合は、協議・調停を経ないで裁判離婚の申し立てができます。裁判で離婚が認められるためには、離婚の原因が相手に離婚されてもしかたがないというような法定離婚原因にあたることが必要になります。
相手が行方不明の場合
裁判を起こすと、被告に訴状と呼出状が送られますが、行方不明の場合はこれが不可能なので、裁判所の掲示板に呼出状を掲示する公示送達がなされます。公示送達がされて2週間経てば、裁判所が審理を始めることができます。この場合、相手方は裁判に出頭しないことが明らかなので、第一回弁論期日に原告本人の尋問を行い、弁論を終え、次回期日には判決が出るかたちになっています。
訴訟で離婚できるかどうかの判断の中心は、法定離婚原因に当たるか否かで、基本的にはその原因となっている方(有責配偶者)からの申し立てはできません。しかし、現在では、夫婦の一方が明らかな有責行為をしていない場合でも、夫婦が愛情を失い結婚が破綻したと考えられると、離婚が認められる傾向にあります。(ただし、別居期間が長い・未熟な子どもがいない・両方とも社会的、経済的、精神的に過酷な状態になっていないなどの条件付)
裁判になれば、費用も時間も労力もかかることを覚悟しなければなりません。裁判は1年半ほどかかり、もし納得した結果が得られず最高裁判所までいくとなれば3~5年かかります。離婚の判決を得るためには、離婚原因の事実を証明しなければなりません。書類や証拠などの提出、その他のすべての手続きは、民事訴訟法で定められていて、法律の専門知識や技術も必要なため、裁判離婚を行うのであれば、早い段階で弁護士に依頼することが不可欠だと言えます。また、公開の法定では見知らぬ人の前で尋問され、聞かれたくないことや知られたくないことまで話さなければならなく、精神的負担も大きいと言えます。
2. 裁判所 :家庭裁判所
原則として、夫婦の居住地にある家庭裁判所に離婚裁判の申し立てをします。
裁判所は、以下の順で決まります。
1. 夫婦の共通の住所地
2. 夫婦の最後の共通の住所地で、夫婦の一方の住所がある場合にはその住所地
3. 夫婦どちらかの住所地
4. 日本に住所がないとき又は住所・居所が知れないときは最後の日本の住所
5. 上記で決まらない場合は東京地方裁判所
申立書の記入・提出は本人でするのも可能ですが、素人には困難であり、弁護士の力が必要といえます。離婚訴訟の場合、弁護士をつける原告がほとんどです。また、被告側も半数以上弁護士を付けているのが現状です。弁護士への費用の目安は、着手金・報奨金がそれぞれ40万~60万円です。
弁護士に依頼すると、弁護士が訴訟を提訴し裁判に依頼人の代理として出席します。代理人が出席していれば、依頼人本人は和解の話し合いをするときや証拠調べで尋問されるとき以外は、裁判に行かなくてもよいです。
裁判所は、原告と被告の夫婦双方にとって折り合いがつくような和解案を提示する場合があります。 裁判中、和解が成立すると裁判は終了し(勝ち負けはなし)、「和解離婚」が成立します。また、裁判中に相手の申し立てを認め離婚に合意した場合も裁判は終了し(勝ち負けなし)、「認諾離婚」が成立します。和解・認諾すると、それぞれの調書が作成され、その時点で離婚が成立します。手続きは、調停離婚のときと同様です。
和解案でも離婚が成立しなかった場合、裁判所が判決を出します。判決は、原告勝訴(原告の請求を認める)か原告敗訴のかたちになります。判決書が原告・被告それぞれに郵送され、 判決内容に納得できない場合は、判決書を受け取ってから2週間以内に控訴を行うことができます。控訴が行われなければ判決は確定し、離婚が成立します。
3. 手続き :離婚届、判決書謄本、判決確定証明書の提出
離婚が成立したら、原告側が裁判所で判決確定証明書の交付を行います。判決が確定した時点で離婚は成立しますが、原告は離婚届(相手方・証人の署名・捺印は必要なし)、判決書謄本、判決確定証明書を判決確定後10日以内に、本籍地または住所地の役場(この場合は戸籍謄本が必要)に提出する必要があります。期間内に提出しない場合は、戸籍法の違反で3万円以下の罰金になります。